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アブストラクトバリアント

BushiShogi 【ルール】

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チェス2000年の歴史の中で、この系統に属するゲームが表すのは常に、王たちの戦いだった。
 シャトランガ(※チェスゲームの源流とされる)がインドからペルシャ、ヨーロッパへと広がったのと時を同じく、それは中国、そして韓国から日本へと伝わった。将棋となったそれは巨大な25×25の盤と幾百の駒を持ったが、その数百年後には9×9の盤へと標準化された。そして現在、すべての将棋バリアントは、より小さな新しい形を模索している。
 ここにいたり、私はチェスについての冒頭の思索に再び戻った――そのバリアントには、王と王個人の、あるいは鍛錬を積んだサムライ同士の戦いのみがある


 フィンランド人のGeorg Dunkel(ゲオルク・ドゥンケル)氏はチェス、そして将棋の相当な愛好家らしく、ご本人のWebページを見ると、十五世名人・大山康晴の発明とされるマイクロ将棋(五分摩訶将棋)を紹介し「ヘルシンキE-mailトーナメント」と銘打った電子メール戦を主催していたようです。
(※彼のSMALL SHOGI VARIANTSのページはこちら。トップベージはリンクが切れて見当たらず、トーナメントも2002年以降は更新されていない模様)

 Dunkel氏はマイクロ将棋の紹介のみならず、独自の駒とルールを用いた将棋バリアントを幾つか発表しており、それらはboardgamegeekにも登録されています。
 彼の将棋バリアントはどれも盤は9×9よりずっと小さく、駒の種類・数も少ない、ご自身が親炙するマイクロ将棋の影響がうかがえるものです。しかもただ小型化したというだけではなく、普通の将棋には存在しない駒とその動き、ルールも「動かすたびに成って別の駒に変化する」とか「指し手双方が動かすことのできる中立駒がある」といった、伝統ゲームのバリアントというよりも、新作ゲームと考えたほうがいいような独自の方向性を持っています。

『武士将棋(BushiShogi)』は、そんなDunkel氏の小さな将棋バリアントの中でも、最小のものです。おそらく氏の意図するところを汲めば「世界最小の将棋バリアント」ではないでしょうか。
 盤はタテ2×ヨコ1の2マス、駒は互いに1つずつの2個。
 指し手はルールでは便宜上、チェスのように白プレイヤー、黒プレイヤーと呼称されますが、駒に色分けはなく、どちらも同じ形の、各面に「武士」「刀」と描かれた立方体を向かい合わせに置きあって対局します。

bushi1.jpg
(※作者による『武士将棋』自作例。駒の各面には「武士」の字の代わりに赤い三角、「刀」の代わりに緑の丸が打たれている)

 2×1マスの盤は、駒を向かい合わせに置くだけでプレイ可能なゲームなので、実際のところ必要はありません。作者は「ボードゲームなのにボードがないのは想像できない」から、とあえて要不要に関係なく使用しているようです。また、あくまでこれが「最小の将棋バリアント」であることを主張するための、ウィットもまじえたこだわりでもあるのでしょう。
 盤はなくていい、といってもサイコロのような特殊な駒は自作が必要で、ルールを読めばすぐできるというわけにはいかないのですが、それも簡単な工作で済みますし、このフィンランドからやってきた将棋バリアント(?)『武士将棋』の指し方を紹介したいと思います。

 ルールは作者が2000年にWeb公開したバーション1.0を基に解説し、必要箇所では説明用の図も引用します→http://www.kolumbus.fi/geodun/bushi/bushi.htm


【ゲームの概要/勝利条件】
 この将棋は武士、サムライ同士の対決を描きます。
 指し手は交互に自分の駒を動かし、自分の手番に駒が「詰み」の形になるように動かしたほうが勝利します。

【道具とその準備】
 白黒2(タテ2×ヨコ1)マスの盤。武士駒2つ。
(※盤はなくてもプレイ可能です)

●武士駒の作り方
 駒はサイコロのような立方体で、各面に「武士」「刀」の文字が規則的に入ります。
 以下の展開図を参考に、印刷したものをお手持ちのサイコロ等に貼り付けたり、紙で作ったサイコロに図のとおりになるよう書き込んだりして作成してください。ゲームには各プレイヤー1つずつ、同じ物が計2個必要になります。

〈駒の展開図〉
展開図

【駒各面の種類と向き】
 盤に置かれた武士駒の状態、向きは立方体の上面に描かれている漢字で判断します。
 駒各面に描かれた漢字の形は「左構え」「右構え」「正面打ち」「三方払い」の4種、向きはその駒の持ち主から見て「前(正面)向き」「後ろ(手前)向き」「左向き」「右向き」の4方向です。漢字「武士」の位置で向きが決まり、駒が対局中に斜め向きになることはありません。

○駒各面の種類
駒種類

○駒の向き
駒向き

【詰みの形】
 この将棋の対局では2つの駒同士を向かい合わせに盤に起きますが、駒が互いに「前(正面)向き」で向き合い、かつ上面が両方ともに「正面打ち」か「三方払い」のどちらかの状態になると、対局は「詰み」となって終了します。
 自分の手番にこの詰みの形にしたほうの指し手が対局に勝利します。

詰み型
 上図では「正面打ち」の駒同士で積んだ形になっていますが、これの片方、もしくは両方が「前(正面)向き」の「三方払い」の駒であっても同様に詰みです。

【対局の流れ】
1.先手後手の決定
 指し手2名が対面に席に着いたら、適当な方法でどちらが白でどちらが黒かを決めます。
 黒の指し手が先手、白の指し手が後手です。
 両者の間のテーブルなどの場に、盤をそれぞれのマス色(黒は黒マス、白は白マス)が手前になるよう設置します(※盤がなければ、これは飛ばして次の手順2.に移ります)。

2.駒の初期配置
 最初は盤上に駒が置かれていない状態で対局が開始されます。
 まず先手(黒)が自分の武士駒を、好きな面を上に、好きな向きで、手前にある自分の色のマスに置きます。続けて同様に後手(白)もマスに自分の駒を置きます。

○初期配置の禁じ手
 どの面をどの向きでも置くことができますが、例外として相手に刀が向いた状態で開始するのは禁止です。
 自分の駒上面を見て、「刀」の字が上辺の位置に書かれている配置で駒を置くことはできません。例えば「正面打ち」の駒を前向き、「左構え」の駒を右向きに置く、といった置き方を初期配置では選べないのです。上面を「三方払い」にした場合では、向きは後ろ向きにしか配置できないことになります。
 これは一番最初に互いの駒を置くときだけの制限です。

3.駒を動かす
 以降、先手(黒)から始めて、次に後手(白)と交互に手番をむかえては、詰みの形になって勝敗が決するまで自分の駒を一手ずつ動かしていきます。
 パスはありませんので、手番には必ず駒を動かします。

【駒の動かし方:基本】
 手番がきて駒を動かす時は以下の4つの動かし方のいずれかを選んで動かします。
『武士将棋』では駒はマスを移動することはなく、各駒の向きが変わったり、面が入れ替わったりすることで動きます。

1.向きを変える
 駒の上面はそのままに、右に90度、時計回りに旋回して向きを変えます。
 向きを変えられるのは右90度にのみです。左旋回などはできません。

向き変更
 上図の例では「正面打ち」前向きの駒の向きを変え、「正面打ち」右向きの配置になりました。

2.前方回転
 駒を前方に90度転がします。それまでの上面は奥に、手前にあった面が新たな上面になります。

前回転
「三方払い」前向きの駒を前方に転がし、それまで手前にあった「正面打ち」の面が後ろ向きで配置されました。

3.左回転
 駒を左に90度転がします。それまでの上面は左側面に、右側面にあった面が新たな上面になります。

左回転
「三方払い」前向きの駒を今度は左に転がしました。右側面にあった「右構え」の面が左向きで配置されます。

4.右回転
 駒を右に90度転がします。それまでの上面は右側面に、左側面にあった面が新たな上面になります。

右回転
「三方払い」前向きの駒を右に転がした場合です。左側面にあった「左構え」の駒が左向きで配置されます。

 駒の動きは以上の通りで、右90度以外に向きを変えたり、手前に向けて転がすことはできません。

【駒の動かし方:特殊な制限】
 手番がきて駒を動かすときに、相手の刀が自分に向けられている(相手の駒の「刀」が相手から見て上面の上辺に位置している)場合は、駒の動きに制限を受けます。
 これには二通りの場合があり、以下のやり方で手番の指し手は駒を動かさなくてはなりません。

1.自分の刀は相手に向いていない
 相手の刀は自分に向いていて、自分の刀は相手に向いていない(上辺に「刀」がない)場合は、この手番は右に90度旋回して向きを変えることしかできません。

特殊1
 上図の状態で白の手番とします。黒が「右構え」左向きで刀を向けているのに対し、白は「右構え」右向きで相手に刀が向いていません。よって白はこの手番に駒を右旋回させ、「右構え」後ろ向きにして手番終了です。

2.両者ともに刀を向けている
 相手も自分も刀を相手に向けている(双方の上辺に「刀」がある)場合は、手番の指し手は自分の駒が今向いている方向に駒を90度転がすことしかできません。

特殊2
 今度は黒の手番です。黒は「右構え」左向き、白は「左構え」右向きで双方が刀を向け合っています。手番の黒は駒を左に90度転がし、今の上面は左側面に、それまでの右側面が上面となって手番終了です。

【細則:盤の位置と対局姿勢】
 作者はもともと、盤を対局者の間にまっすぐタテに置き、対局中の指し手は自分の駒の上面と手前面、相手の上面と奥面の計4面しか見ないで指すことを想定しています。
 しかしそれと同時に、ちょっと頭を傾けたりすれば互いの駒の側面を見る(見えてしまう)ものだ、ということも承知しており、その解消と難易度の調整も兼ねて、対局に慣れるまでは「盤を指し手双方から見て右斜め45度傾けて」指すことを推奨しています(記事上部で紹介した作者の作例の写真がそのようになっています)。
 そうすることで指し手は、自分の駒の上面と手前面と右側面、相手駒の上面と奥面と左側面の計6面をを確認しながら対局できることになります。


 というわけで、僕も『武士将棋』を自作してみました。
 僕は絶望的に字が汚く、絵も描けませんのでフリーハンドで漢字を書くとまったくやる気の起きない(誰も対局に付き合ってくれない)シロモノと化すのが容易に想像できましたので(笑)、画像ソフトの力を借り、ついでに河鍋暁斎の屏風絵から竜と虎を拝借しました。

DSCI0800.jpg

 友人と対局してみましたが、この『武士将棋』を将棋とするのは微妙なところがあります。なるほどと思える点も多々あるにせよ、単純といえば単純、コンピュータなどにかかれば瞬く間に解析されてしまうことでしょう。
 ですが、いざ指して見ると「人間は立体物に描かれ回転する図像の配置を意外なほど記憶できない」ということを思い知ったりします。また、お茶やコーヒー、お酒を片手にこういったものをカタカタと動かすのは、それだけでも楽しいものです。

 作者のDunkel氏はBGGのフォーラムなどで「これのどこが将棋?」といったツッコミが入るのも(実際に入っています)、端から織り込み済みだったのでしょう。
 ルール紹介のページには「この『武士将棋』をシリアスにとらないで欲しい」と書かれています。そしてそれに続けて、このバリアントの着想は、彼の言葉では「哲学的」な思索から得られたものだと解説しています。その哲学的な思索というのが、この記事の冒頭に掲げた引用部分です。
 巨大な構成を持つボードゲームから小さくなり、さらに小さく斬新なバリアントへ。
 王の率いる陣営同士の戦いから、サムライ同士の個の対決へ。
 Dunkel氏は『武士将棋』の構想を練る最中に、さらに要素を50パーセント削減し、1マスの盤、1個の駒を互いに動かすゲームも検討したといいます。

 より小さく、より少なく。
 フィンランドの将棋愛好家による愛らしい将棋バリアント、少しばかり図画工作が必要ですが、お試しいただければと思います。
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