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ストーリーテリング

Kazekami Kyoko Kills Kublai Khan 【ルール】

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『Kazekami Kyoko Kills Kublai Khan(カゼカミ・キョーコ・キルズ・クビライ・カーン)』、略称『5K』は、2人プレイ専用のロールプレイングゲームです。

 作者はジョナサン・ウォルトン(Jonathan Walton)、2006年にブログ記事のかたちで公開されたこのゲームは、同年のインディーRPGアワード(Indie RPG Awards):フリーゲーム部門にノミネートされています。この年のフリー部門賞は汎用TRPG『JAGS Revised』が獲得しており、そちらはルールブックレット270頁のフリーとは思えぬ大作なのですが、この『5K』はなにしろブログ記事、同じノミネート作でも受賞作とは対照的に非常にコンパクトです。以前ご紹介した「ノルウェジャン・スタイル」、「ロールプレイング・ポエム」に内容的にも分量的にも近いと言えます。

 さて、この『5K』のルールを訳して紹介するにあたり、少々ご注意を。
 このゲームは2人の対話で物語を組み立てていくものなのですが、その前提となる背景は、はっきり言って「大人向け」です。絵が表示されるわけではなく、作者ウォルトン氏の記述したルールにどぎつい描写もありませんが、直截にセックスや性的関係を扱います。実際のプレイで求められる対話もまた、しかり。
 それをあらかじめご了承の上、以下のルールを御覧ください。心配するほど過激なことはないと考えますが、念のため。

 ルールはウォルトン氏のブログ「one thousand one: roleplaying and everything after」に公開されたものを訳出します。
 極力、文意を損ねないように努力しましたが、そこは低語学力の僕の書いたもの、不備があればそれはすべて僕、じゃんごが責を負うものです。

 『5K』ルール元記事はこちら→http://thou-and-one.blogspot.jp/2006/01/kazekami-kyoko-kills-kublai-khan.html




カゼカミ・キョーコ・キルズ・クビライ・カーン
風神キョーコは忽必烈汗を殺す
Kazekami Kyoko Kills Kublai Khan


 キョーコは風神、風の精。そしてニンジャでもある。この女は姫にあらず――クビライ・カーンはキョーコに脾腹を貫かれるまでもなく、それを察していた。彼はこの新たな妾を籠絡せんと色目を使い、彼女は大元の日本侵攻を防がんとする。風神はクビライを亡き者にするべく、彼が妻妾とする稀代の美姫たちを如何に誘惑したか、その手管を物語ることにより、彼女の夫君――カーンを責め苛むのだ。

 参加するプレイヤーは二人。一人はキョーコをプレイし、もう一人はクビライをプレイする。

 ゲーム中、各プレイヤーは交互に意見を陳述、もしくは自身の扮するキャラクターに与えられた形式に則り相手に質問する。これを〈投稿 contributions〉と称する。その形式は以下のとおり。


クビライ:「【確認 Confirmation】! しかし、【明言 declaration】! 如何にして【自由回答可能な質問 open-ended question】?」

キョーコ:「まことに、【確認】! ですが、【明言】! 【修辞、あるいは反語的疑問 Rhetorical question】?」



 上記の手順に従い連鎖的に物語を作り出す。各プレイヤーは相手の〈投稿〉に必ず応答しなければならない。確認し、明言し、そして相手にも確認を要求する。その際に、キョーコはカーンの質問に対し、詳細で完全な答えを返さないように。それでいて、対話によって彼女の誘惑譚が一歩一歩、ゆっくりと引き出されていくようにする。また、プレイヤー双方が、如何に誘惑は達成されたかについて先入観を持たないことも極めて重要である。このゲームの主旨としては、あなた個人の腹案よりも、相手の〈投稿〉を聞き、追認することが上位にあるのだ。

 それぞれの誘惑譚はキョーコによる誇示、あるいはクビライによる抗議から開始される。各プレイヤーは言及中の誘惑譚について、明らかになった情報に満足した時はいつでも、発言の番を相手に移して、あるいはそのまま自分で、別の新たな物語を始められる。


キョーコが誇示した例:
「私は名高き后妃、薔薇翡翠と恍惚に身悶える長い刻を過ごし、彼女の唇は私の肌に白檀の香を残しました」

クビライが抗議した例:
「そなたは、我が妾たちの中で最愛たる、白檀と涼しき川のごとき香の漂う薔薇翡翠、彼女の閨房には入れなかった」


 そして、その誘惑譚がキョーコの誇示によって(上記例のように)始まったとすると、以下のように物語は続くかもしれない。


クビライの応答:
「しかり、そなたは楊貴妃このかた絶無の妖婦よ! されど我が妃、薔薇翡翠は幼き小児すら冷笑して止まぬ。そなたは如何にして、あれを懐柔したものか?」

キョーコの応答:
「まことに、あのお方の情は頑ななままでございました! ですが、私がお方様の宦官長から好意を引き出しますと、すべては収まるべきところに落ち着き始めたのでございます! 世界を征服する偉大なあなた様、この戦術を如何に思われますか?」

クビライは続けて返す
「かかることは我が軍才をもってしてもなお、見落としていた! しかし、あの宦官長はそなたのごとき女の手管に流されるものではあるまい! して、そなたはどのようにあの者の好意を得たのか?」

キョーコもさらに続ける
「確かに、あれの男の部分は使い物になりませぬ! ところが、その他の欲――特に珍奇な料理を求めるその食欲は、今なお節度のないものであったのです! どうして彼に、私の饗する小海老のかき揚げをこらえることなどできたでしょう?」


 ――等々。

 キョーコは風の精であり、ニンジャであることに注意。彼女のその恐るべき能力で、できないことはほとんどない。

 とはいえ偉大なるカーンは、彼女のその明白な能力に比して、彼女の語る物語が自分たちにふさわしいほど印象的ではなく素晴らしくもない、と疑義を呈することもある。キョーコもまた、彼女の語る冒険と情愛の獲得は彼にとって他所事であり、死すべきカーンと共有すべきものではない、と判断するかもしれない。その際は、どちらのプレイヤーも次のようなかたちで、相手の〈投稿〉に対応する選択が可能である。


クビライ:「我が妾よ! なるほど、【賛辞 compliment】! 何ゆえ、【キョーコの〈投稿〉に対する疑義 question Kyoko's original contribution】?」

キョーコ:「偉大なるカーン! 【賛辞】! けれども、【詳細を明かすことを拒否refusal to divulge details】!」



クビライの応答例:
「我が妾よ! なるほど、そなたの速さは蟋蟀や燕のそれをも凌駕する! 何ゆえ帝国の軍に怯えることがある?」

キョーコの応答例:
「偉大なるカーン! あなたのすべてを見通す目は、小虫ほども見逃すことはありませぬ。けれども、女心の内々をその眼差しで貫かずにおいてくださいませ!」


 これらを〈投稿〉したとしても、相手はそれに通常通りに答えるか、相手もまた同様に上記の選択で対応するかを選べ、物語の連鎖が断ち切られることはない。

 ゲームの終わりは、クビライがそれ以上は耐えられず、最後の言葉を発した時である。


クビライ:「かくて、女の中の女に妻を寝取られる。私はこの苦界から立ち去ろう」

キョーコが応じる:「その高貴なる魂は昇天し、男の中の男、ここより旅立つ」



 プレイヤーはそれぞれに個別の役割、任務、権限を持っているが、それらが互いにかなり異なっていることに注意を払うこと。キョーコをプレイすることは、クビライをプレイすることと非常に異なっている。このためプレイヤーたちは、プレイで必要となる様々なスキルを磨くために、次のゲームでは役割を入れ替えたり、短い二つのゲームを連続で、役割を交換してプレイしたりといった工夫が推奨される。

 このゲームはオンラインチャットでのプレイに強く適合するよう設計されている。クビライの命は細く長い糸のようなもの、参加者はプレイ時間を長くも短くもできる。彼の死はこのゲームで、まったく予想外ではない。

 カゼカミ・キョーコ・キルズ・クビライ・カーンは、私の以前のIron Game Chefエントリー作品『Heavenly Kingdoms』、『the game of drunken Taiping exegesis』のみならず、Ben Lehman、Emily Care Boss、ブログ「Sin Aesthetics」のMo、そしてShreyas Sampatのゲームやアイデアから強い影響を受けた。このゲームの大部分は、昨晩ベッドに向かう前の三十分で書かれた。

※二〇〇六年一月十八日、午後八時四十一分にジョナサン・ウォルトンが投稿





 さて、この「5K」の舞台設定はいちおう元寇の頃、ということになるのですが、かなり珍妙なものです。あくまでゲームを成立させるための道具立てに過ぎず、史料にある元寇やその時代の人々の生活、文化に沿ったものではないことは言うまでもないでしょう。

 このゲームの眼目は「強大な権力者【男】が、その妻たちを【女】に寝取られる」というセクシャルな物語を、即興で描き出すことにあります。
 カーンは側女としてのキョーコに魅惑されており、ただ者ではないと承知していながら、その言葉に耳を傾けます。キョーコは「できないことはほとんどない」とされるニンジャ、風神であるにもかかわらず、カーンを打倒する手段は彼の妻たちを次々に籠絡して、夫であるカーンが世をはかなみ自死するよう仕向ける、という迂遠なものです。各プレイヤーはそうした物語上の役割を帯びて、形式に則った対話を重ねます。

 それにしても、いったい作者はどこからキョーコのような「女を寝取る、美しく万能な女」というキャラクターを発想したのでしょうか。
 少なくとも一つには、そもそもこのゲームが「IRON GAME CHEF lesbianstripperninja」と題されたコンペティションの参加作品だということがあります。このコンペに出品するゲームは、「レズビアン lesbian」、「ニンジャ ninja」、さらに「夫 husband、ストリップ strip、お茶 tea のうちのどれか」を必ずルール記述に含んだ、ロールプレイングゲームでなければならない、という規則だったのです(その募集はこちらの投稿→http://unrequitedthai.livejournal.com/125405.html)。

『5K』は作者自身も示唆しているように「チャット等オンラインプレイに向いている」こともあり、web上で調べてみるとなかなかに好評で、イタリア語に訳されたPDF冊子も存在しています(ルールだけでなくリプレイ、そして味わい深いイラストも追加され、魅力的です)。
 オンラインでのプレイログを見ると、この種のゲームに慣れた、スキルの高いプレイヤーは場合によってはプレイ中にルールをあえて無視し、より縦横無尽な物語を展開したりもしているようです。舞台を別のものに差し替え、カーンとキョーコの設定を大幅にいじり、これもまた別の人物に変更する等、改造すると、まったく違ったゲームにもできそうですね。
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