伝統トランプ

【 伝統トランプ 】 記事一覧

スポンサーサイト

スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

▲PageTop

22(Twenty-Two) 【ルール】

伝統トランプ

 きゅうりがブームです

 大丈夫です。久しぶりの更新ですが、僕、正気。

「きゅうりが~」というのは、フリードマン・フリーゼ作のカードゲーム『5本のきゅうり(Fünf Gurken)』が国内でも入手可能となり、にわかにこの新作の原型となったトランプゲームが脚光を浴びている、ということです(※誇大な表現が含まれています)。
 Cucumber(キューカンバー:きゅうり)と呼ばれる、そのトランプゲームは北ヨーロッパを中心に複数の国で遊ばれており、各国語別のゲーム名と微妙に異なるルールで1つのグループを形成しています。Pagat.comの該当ページを見ても、名前違いで様々なバリエーションが紹介されています。

 Pagat.com「Cucumber」のページはこちら→http://www.pagat.com/last/cucumber.html

 上記ページに挙げられている同種ゲームの中では、すでにHAL99さんがデンマークの「Agurk(別名:21)」のルールを翻訳され、日本語ルールを配布なさっています。Pagat.comの記事によると、「Agurk」は1970年代にDIKU(Datalogisk Institut på Københavns Universitet:コペンハーゲン大学コンピュータサイエンス学科)の学生の間で流行した、とあり、伝統ゲームの中では比較的近年に評価が高まったもののようです。
 他のCucumber系統も含め、すでに遊ばれていたのが、1970~80年あたりに学生たちからの再評価を受け、そして2010年代に突入した現在、ゲーム界で“緑の怪人”と呼ばれるデザイナーから、きゅうりの緑がよかったのかピックアップされる……と。その流れがついに日本に届いたわけですね。

 HAL99さんの「Agurk」和訳ルールはこちら→http://www.thegamegallery.net/blog/?p=862

 そして、今回紹介するのはアメリカ版「Agurk」と目される、「22(Twenty-Two)」というゲームです。
 実はこのゲーム、先に翻訳が発表されている「Agurk」とは、遊ばれている国は海を渡って違えどシステムの骨格はほぼ同じです。しかも僕自身がすでに抄訳をTwitter上で紹介済み、そのまとめをこのブログからもリンクしているページに作ってもらっていたりします。
 でも、そこはそれ。このビッグウェーブに乗っておきたいのです(笑)。

 冗談さておき、Cucumberの中でもこの「22」は別途に紹介する価値のあるものだと、個人的には思っています。以下に、そのルールをあらためて記してみましょう。

 Pagat.com「22(Twenty-Two)」のページはこちら→http://www.pagat.com/last/22.html
 ツイートのまとめはこちら→http://togetter.com/li/448874


【ゲームの概要/勝利条件】
「22」はトランプを使用するトリックテイキング、あるいはそれによく似たタイプのゲームで、プレイヤーの目標は「各回最後のトリックを取らないこと」です。最終トリックで勝つと、その時に自分の使ったカードが失点となり、これが22点以上に達したプレイヤーは負けてゲームから脱落します。
 最後まで脱落せずに残ったプレイヤーの勝利です。

【プレイ人数】
 2~6人。7人以上でも可能とされていますが、人数に合わせての調整法は【より多人数でのプレイ】で最後に紹介します。

【使用する道具】
 ジョーカーを抜いた通常のトランプ1組(52枚)

【カードの強さ
 このゲームでは、カードのスート(マーク)は意味を持ちません。手順に影響するのはランク(数値)のみです。カードの強さはランクによって判定され、以下の順になっています。

 〈強い〉A→K→Q→J→10→9→8→7→6→5→4→3→2〈弱い〉

【手札を配る】
 各プレイヤーはテーブルなどの場を囲んで座り、無作為にカードを引いて最も強いランクのカードを引いた人がディーラーとなります。最高位の人が複数いる場合は、その人たちで引き直して判定します。

(※注:ディーラーの决定方法は、じゃんけんでもなんでも、お好きなものでもよいでしょう

 ディーラーはカードをよくシャッフルして時計回りに1枚ずつ、各人の手札が7枚になるように裏向きに配ります。残ったカードは裏向きの山にして、場に置きます。

【手札の交換】
 次に、ディーラーの左隣の人から時計回りの順で、配られた自分の手札を見て、好きな枚数を場に裏向きに捨て、同枚数を山札から引いて交換することができます。これは配られた手札すべてを捨てて交換することもできますし、1枚も交換しなくてもかまいません。
 プレイヤーの人数によっては、交換したいカードの枚数より山札の枚数が途中で少なくなってしまうこともありえます。その場合は、残っている山札より多い枚数を捨てることはできません。もし山札がなくなってしまっていたら、交換は一切できません。

 交換の手順が一巡したら、プレイ開始です。

【プレイの手順】
 このゲームのプレイは、プレイヤーが順にカードを出し、誰が一番強いランクのカードを出したかを判定する「トリック」を、全員の手札がなくなるまで繰り返します。
 1回のトリックは、最初のプレイヤーが1枚以上のカードを出す「リード」、そしてそれに対して他のプレイヤーが順に同枚数のカードを出す「フォロー」で構成されています。

1.リード
 リードはディーラーの左隣の人からです。手札から任意のカードを1枚、もしくは同じランクのカードを2~4枚のセットでまとめて、表向きに場に出します。

・1枚でリード
 手札のうちのどれでも好きなものを出すことができます。

・セットでリード
 同ランクのカードを複数枚セットで出します。例えば手札の中に「8」が3枚あって、それを3枚とも一度に出すことはもちろん、2枚だけを出すことも可能です。あえて1枚だけ、というのもかまいません。
 ただし、セットでリードする時は必ず手札に1枚はカードが残るように出さなくてはなりません。

2.フォロー
 リードされたら、その左隣の人から時計回りの順でフォローしていきます。
 フォローではリードされた枚数と同枚数のカードを、手札から表向きに場に出すことになりますが、これには以下の規則があります。

・リードが1枚の時
 手札から、リードされたものも含めて場に出ているカードの中で、最も強いランクのカードと同じか、それよりも強いカードを1枚出します(場で最高位のカードを出す)。
 これができない、あるいはできてもしたくない場合は、手札の中で最も弱いカードを1枚出します(手札で最低位のカードを出す)。

例1)「10」がリードされ、次のプレイヤーは「K」でフォローしました。その次のプレイヤーの手札は「Q、J、8、8、6、5、2」の7枚です。この手札では「K」以上のカード(「K」か「A」)を出せないので、最低位の「2」を場に出さなくてはなりません。

・リードがセットの時
 リードと同じ枚数を出すことになりますが、これは同ランクのセットでなくてもかまいません。
 ただし、2枚なら2枚、3枚なら3枚、4枚なら4枚すべてのカードそれぞれに対し、すでに場にある最も強いカードと同じか、より強いランクのカードでなければなりません。これができない(したくない)場合は、手札の中から弱いランクの順に必要な枚数を場に出すことになります。

例2)「6、6、6」の3枚がセットでリードされました。次のプレイヤーは3枚のカードすべてが「6」以上の強さでなくてはなりません。そこで「10、9、7」でフォローします。続けて、さらにその次のプレイヤーは「10」を「K」で超え、「9」を「9」で同ランク、「7」を「8」で超えて、フォローすることにします。手札から場に「K、9、8」の3枚を出すことになりました。

例3)先の「K、9、8」が場の最高位カードになった後、続くプレイヤーの手札は「K、K、6、3、3、2、2」でした。「K」を「K」で同ランク、「9」をもう1枚の「K」で超えられますが、この手札ではもう「8」以上のランクのカードが出せません。そこで手札の中から弱い順に「2」「2」「3」の3枚を場に出すことになります。

3.トリックの終了と判定
 リードからフォローで全員が同枚数のカードを出したら、1トリックが終了します。
 場に出されたカードを比較して、最も強いランクのカードを出したプレイヤーが勝ちます。最高位のカードを出した人が複数いる場合は、最後にそのカードを出した人の勝ちです。

 トリックの勝者が决定したら、出されたカードはすべて捨て札として脇にどけておきます。以降、この捨て札はいつでも好きな時に見て、どのカードがすでにこのトリックでプレイされたかを確認することができます。

4.次のトリックへ
 前トリックの勝者がリードして、次のトリックが始まります。
 上記のリードとフォローの手順を繰り返し、全員の手札が残り1枚になったら、最終トリックです。

5.最終トリック
 最終トリックでは、直前に誰が勝ったかにかかわらず、全員が一斉に手札に残った1枚を場に出し公開します。

 場に出たカードを比較して、最も強いカードを出した人がトリックに勝ったことになり、同時にこの回の敗者となります。敗者は最終トリックで出したカードが失点となり、そのカードを自分の前に表向きのまま、他の人にも見えるように置き、スコアを表示します。
 失点は「A」は11点、絵札(K、Q、J)は10点。その他のカードはランクの数値がそのまま失点になります。プレイが継続して敗者になるたびに、その人の前には表向きのカードが並んでいきます。

 最終トリックの判定で、最高位のカードを出した人が複数いる場合は、その全員が敗者です。一人ひとりが自分の出したカードを失点として受け取り、前に置きます。

6.脱落
 その回で敗者の失点の累計が22点以上になっていたら、そのプレイヤーはゲームから脱落します。一度に2人以上のプレイヤーが脱落することもありえます。前に置いたカードはそのままにして、脱落した人はもうゲームには参加しません。

7.次の回へ
 スコア表示のために敗者の前に置かれたもの以外のカードを1つにまとめ、次の回を始めます。

・新たなディーラー
 ディーラーになるのは敗者です。
 もし敗者が複数いた場合は、最初にディーラーを決めた時と同様に、敗者全員で無作為にカードを引き、最も強いランクのカードを引いた人がなります。敗者が脱落していなくなった時は、全員が無作為にカードを引いてディーラーを決めます。

(※注:この敗者が複数、あるいはいない時のディーラー決めもまた、じゃんけんなど好きな方法でもよいでしょう

・新たな回の手札
 ディーラーは脱落した人以外のプレイヤーに手札を配りますが、その際に配る枚数は、各人につき前の回で敗者が受けた失点の数と同じ枚数です。「A」なら手札11枚、絵札なら10枚、その他はカードのランクと同じ枚数です。

・カードが足りない時は
 プレイヤーの人数によっては、次の回を始めるときに配るカードが上記ルール通りにしようとすると足りなくなるかもしれません。
 そのような場合は、全員が同じ枚数になるようにできるだけ多く配り、余りを山札として場に裏向きに置きます。

【ゲームの終了】
 プレイヤーが脱落していって、1人だけが残った状態になるとゲーム終了です。最後まで残ったそのプレイヤーが勝者になります。
 ルール上、一度に複数人が脱落した結果、誰もゲームに残らず終わることもありえます。その時は最後に脱落した人全員を勝者としてもいいし、あるいは失点の累計を比較して、より少ない人を勝者としてもかまいません。

【より多人数でのプレイ】
 このゲームはトランプをもう1組足すことで7人以上でも可能です。
 トランプ1組では6人まで可能、最適人数は4人あたりと思われますので、7、8人でのプレイなら、裏側が同じ色と模様のトランプをもう1組足して104枚にするとよいでしょう。
 トランプを足した場合は、同じランクのカードが増えますので、リードのセット出しが5枚以上も可能になります。


 以上がPagat.com記載の「22」のルールです。
 同種の「Agurk」と大きく違っているのは、カードプレイ前に交換があること、そして複数枚セットのリードとフォローがあることです。そのぶん手順が少し複雑になっているのですが、そこにこのゲーム独自の魅力があります。交換によるやや運試し的な手札チョイスはなかなか面白いですし、複数枚リードは時に予想外の展開を生み出します。
 また、パッと見た感じ4、5人でのプレイが適正かと思えるのですが、Pagatの記事には「2人プレイでもよく動く」と書かれていて、ルールのおかげなのかはよくわからないものの、確かに試してみると2人プレイでも楽しめました。

 この「22」や、他のCucumberの最も目につく弱点は「ゲーム中に脱落者が出る」ことです。テンポが早くて1ゲームの時間も短いので問題ないといえばそうなのですが、やはり脱落した人が「待ち」になるのは気になります。
 その点も、それが最良の人数かはともかく、2人プレイならば気に病まずに済みます。どちらかが脱落したら、その瞬間にゲームは終わりますから。「Agurk」とは別途に紹介する価値あり、と判断した理由には、そんなこともあります。もっとも、他のCucumberや『5本のきゅうり』も、2人プレイに適しているのかもしれませんけれどね。

 デビッド・パーレット著『THE PENGUIN BOOK OF CARD GAMES』のCucumberの項を確認してみると、どうやらこの種のゲームは学生の間で再発見・流行する以前は、ライトなギャンブルゲームだったようです。おそらくカジノや専門ハウスにテーブルが設置されているタイプではなく、パブなどでお酒を飲みつつ、客同士が遊んでいた小博打の類ではないでしょうか。
 そう予想させられるのは英語でCucumberを動詞的に用いた「Cucumbered」が俗語で「めちゃくちゃに酔っ払う」ことを表すからです。このへんに酒場の匂いがします(笑)
 このゲームで失点により脱落することを「Cucumbered」と言うらしく、それがそのままタイトルになっているのですが、パーレット氏が「…sliced(or cucumbered)」と表現しているところを見ると、脱落することを指して「(輪切りにされるように)切り落とされる」と「(酔い)潰れる」を、きゅうりの一言で表したダブルミーニングなのではないか、と想像します。

 最後に『THE PENGUIN BOOK~』にパーレット氏が記載している、ギャンブルとしてのCucumberの概要を列記します。
 このバリエーションは、HAL99さんによる「Agurk」への追加ルールと同様に、上に述べたこの種のゲームの弱点「脱落者が出る」ことへのネガティヴ感を軽減するように思われます。なんと、各人は1ゲームに1回だけ、脱落を回避できるのです!


【ギャンブルきゅうり】
・プレイ可能人数は3~7人と記されている。が、ルールからすると5~7人でプレイするのが基本だと思われる。

・各プレイヤーはゲーム前にあらかじめ決められた、同額のステーク(賭金)をポット(テーブルの上の集金場所、カップやダイストレイ等なんでもいい)に支払う。賭け事ではなく純粋なゲームとしてやるなら、ポーカーチップやおはじきなどで代用。

・基本的なルールは「Agurk」と変わらない。HAL99さんの訳を参照。カードごとの失点はA=14、K=13、Q=12、J=11点で、数字札はランクそのままの数が失点となる。そして脱落は累計スコアが30点以上で起きる。

・脱落が决定したプレイヤーはその場でさらにもう一度ステークをポットに支払うことにより、ゲームに復帰できます。ただし、復帰後のスコアは脱落の直前まで累積していた数から再開です(それまでの累計26失点に「5」のカードで敗者となり、31失点で脱落することになったプレイヤーは、ステークを払うことで脱落を免れ、26失点の状態でゲームを続けられる)。

・上記のステーク再支払いで復帰できるのは、1ゲームに付き各人1回まで。2度目の脱落は回避できない。

・また、残りプレイヤーが3人になると復帰はできなくなる。そしてその3人のうち誰か1人が脱落するとゲーム終了。一番失点の少ない人がポットに入っているステークを総取りする。

 このギャンブリングルールは、脱落点数を21や22点にするなど微調整することで、「Agurk」や「22」にも応用できるのではないでしょうか。うまくすると、各人1回は復帰のチャンスがあるということで、脱落後の「待ち」時間が詰まり、手持ち無沙汰が解消されるかもしれません。
 ちょっと試してみたいですね。
(※『5本のきゅうり』には、ひょっとするとこういったルールが何かあるのかもしれませんが……僕は未所持で詳しいルールを知らないので)
スポンサーサイト

▲PageTop

1234 【ルール】

伝統トランプ

 タイ王国は長く独立を保ってきた風土のためか、周辺諸国に比べると独自文化が(もちろんそれらの多くに、古代から中国大陸文化等の影響があるにせよ)色濃く残っている気がします。
 ベトナムなどでは西洋チェスの流入に押されてほぼ消滅してしまったと聞く、その国独自の将棋も、タイでは「マックルック(マークルック)」として命脈を保っているそうで、このタイ将棋こそ日本の将棋の源流(の1つ)とみなす研究者もいらっしゃるようです。

 しかし、そんなタイでもマックルックの指し手は減少傾向で、過去に中国から流れてきて定着していた銭牌系の伝統カードゲーム、ギャンブルも、今ではトランプのゲームに取って代わられている、と資料にありました。
 もちろん、それよりなにより、首都バンコクなど都会ではテレビゲームはもちろんのこと、『UNO』もあるし『マジック:ザ・ギャザリング』や『遊戯王』、最新のトレーディングカードゲームも人気ということですから、ことゲームに関しては、日本とあまり変わりがないのかもしれません。 

 では、そんなタイに独特なトランプゲームは何かないだろうか? と思い、例によってpagat.comの国別分類でタイ王国のページを眺めていると、目についたのが『1234』というゲームです。現地の読みだと「ヌン・ソーン・サーム・シィー」でしょうか?
 この『1234』、pagatではページ立てがなく、タイのカードゲーム事情を記した中に、十数行でルールが説明されているだけです。細則は不明、Web検索であたろうにも、まま数字がタイトルなので容易には情報が得られず、ファミリーゲームなのかギャンブルなのか、どこでどのように遊ばれているのかもいっこうにわかりません。

 そこで、情報収集もかねて、ここでわかる範囲のルールに僕自身の推定を加えた上で、とりあえず紹介してみたいと思います。
 原理はとても単純なので、これだけでもプレイは可能なはずです。
 それに、どこかで見たことがあるような、ないような…なかなか興味をそそられるシステムで、これに近いゲームが他にもあるのか、それも知りたいところです。

 pagat.comの「Card games in Thailand」のページはこちら→http://www.pagat.com/national/thailand.html


【ゲームの概要/勝利条件】
 このゲームでは、各プレイヤーは最大5枚の手札を持ち、ルールに従って手番毎に場に出していきます。手札は毎回補充されますが、もしルール通りに手札を出すことができなくなると、ゲームから脱落してしまいます。
 他のプレイヤーが脱落して、最後の1人になったら、そのプレイヤーの勝利です。

【プレイ人数】
 2~5人
(※原文に記述なし。開始時にある程度は山札の枚数があったほうがいいのでは? と推測してこの人数にしてみました)

【使用する道具】
 ジョーカーを抜いた通常のトランプ1組(52枚)

【カードごとのランク】
『1234』では、各カードに描かれたランク(数)が重要です。
 2~10のカードはそのままその数字、Aは1、Jは11、Qは12、Kは13と数えます。

【ゲームの準備】
 全員が場(テーブルなど)を囲むように(2人プレイなら場を挟んで対面に)着席したら、適当な方法でディーラーを決めます。
 ディーラーはトランプ1組を裏向きでよくシャッフルし、全員に5枚ずつ手札を配ります。配り終えたら最後にもう1枚を、スタートカードとして表向きに場に出します。
 残りのカードはそのまま裏向きの山札として場に置き、プレイ開始です。

【ゲームの進行手順】
 一番最初に手番となるのは2人プレイならディーラーではないほう、3人以上ならディーラーの右隣の人です。
 以降、手番は右隣へと反時計回りに移っていきます。2人なら交互に手番が移ります。

 手番のプレイヤーは「プレイ」か「パス」かを選び、手札から何枚かのカードを場に出します(※このゲームのパスは、特殊な組み合わせで数枚のカードを出すことで、順番を飛ばすことではありません)。
 もしプレイもパスも不可能で、場にカードを出せなかったら、そのプレイヤーはドロップアウト(脱落)してゲームから抜け、1ゲーム終了までもう参加できなくなります。ドロップアウトしたプレイヤーの手番は飛ばされ、ゲームは続きます。

1.プレイ
 このゲームで基本となるカードの出し方です。
 まず最初に、手番プレイヤーがプレイする時は、手札から出すカードのランクの合計値が、スタートカード(場に表向きに置かれた1枚)のランクより1~4大きくなければなりません。
 同数値以下や、5以上大きくなるようなカード、または複数のカードの組み合わせは不可です。

 いったん誰かがプレイした以降は「最後にプレイされた数より1~4大きなランクのカード、もしくは合計値がそのようになる複数のカード」をプレイすることになります。つまり手番が次から次へと移るうちに、だんだんとプレイ可能な数値は上がっていくのです。

例)スタートカードは10。これにQ(12)のカードをプレイすると、次にプレイしようとするプレイヤーは13~16の数値を手札から出す必要があります。そこで3と6と5の3枚を出すと合計は14なので、この組み合わせはOKです。さらに続くプレイでは15~18の合計値を持つカードの組み合わせが必要になります。

2.パス
 スタートカードのランクや、直前のプレイで提示された数にかかわらず、以下の組み合わせのカードであれば、出すことができます。

・Aのカード1枚
・同ランクの数字札(A~10)2枚に絵札(J、Q、K)を1枚合わせた計3枚
・3枚の同スート()札(※数字札と絵札、どちらでも、混在してもOK)
・3枚の同ランク札(※数字札と絵札、どちらもOK)
・同ランクの数字札(A~10)2枚を2つで計4枚(※3と3に5と5等。絵札は不可)


 手番でパスした場合、プレイに必要な数値に変更はなく、そのまま次のプレイヤーに手番が移ります。

3.ドロップアウト
 手番にプレイもパスもできない時は、手札をすべて裏向きに自分の前に置き、ドロップアウト(脱落)します。
 この状態になったプレイヤーは負けで、以降は終了まで手番は飛ばされ、回ってくることはありません。

4.手札の補充
 プレイ、もしくはパスでカードを場に出した手番プレイヤーは、最後に山札から3枚引いて手札を補充します。
 ただし、手札の上限は5枚ですので、3枚引くとそれを超えるようなら、それを超えないように1枚、もしくは2枚引いて手札を5枚にします。

5.手番の移動
 手番プレイヤーがプレイかパスして手札を補充、もしくはドロップアウトしたら、次のプレイヤーに手番が移ります。

【ゲームの終了】
 ゲームが終わるのは以下のどちらかの時です。

1.一人残してドロップアウト
 各プレイヤーがドロップアウトしていき、最後の一人になったらそこで終了です。最後まで残ったこのプレイヤーが勝者になります。

2.山札がなくなった
 手札の補充で山札がなくなったら、そこで即座に終了します。
 ドロップアウトしていない、残っているプレイヤーの中で、最も大きなランクのカードを持っているプレイヤーが勝者になります。
(※同点首位が複数いる場合は、手札の中で二番目に大きなカード、それでも同点がいるなら三番目…と比べて決めるとよいでしょう)

【ゲームの継続と得点計算】
 ルールの原文には「次にゲームを始める時は前回の勝者がディーラーになる」と明記されています。しかし、そのように繰り返しゲームをする時に用いられる、累計スコアの付け方や、得点のやりとりについては一切触れられていません。
 そこで、以下に想定される得点の付け方を提案しておきます。

1.勝者にプラス点
 勝者以外のプレイヤーは終了時の手札(ドロップアウトしていたら前に伏せていたもの)のランクを合計します。
 勝者はそのすべての合計を自分の得点とします。

 最初に決めていた回数のゲームを繰り返して、最も高い得点の人が最終的な勝者、あるいは目標点をあらかじめ決めておき、一番最初に累計得点が目標に達した人が勝者になります。


2.敗者にマイナス点
 勝者以外の各プレイヤーが手札のランクを合計するのは上と同じです。
 そしてその合計値を各プレイヤーの失点としてメモします。

 こちらもあらかじめ何回ゲームするかを決めておき、もっとも累計で失点の少ない人を勝者とするか、誰かが基準の累計失点に達した時に、やはりもっとも失点の少ない人を勝者とするかにすればよいでしょう。

3.持ち点をやりとりする
 あらかじめチップやおはじきなどで、全員が同点数を持ってゲームを開始します。
 1ゲームごとに、敗者は勝者に終了時の手札のランクの合計値を勝者に対して持ち点から出して支払います。

 この場合は誰かが破産した(持ち点がなくなった)時点で終わりにしてもいいですし、上の2つと同様に先にゲーム回数を決めておいてもよいでしょう。いずれにしても、終わった時にもっとも持ち点の多い人が勝者です。


 実際にプレイしないことには確定できませんが、この『1234』は単純ながら面白いゲームな感じがします。
 想像するに、これはテンポの早いギャンブルゲームではないでしょうか?
 それが正解だとすると、何ゲームも繰り返す場合の得点計算は「3.持ち点をやりとりする」で提案したようなやり方ではないかと思われます。敗者が失点分を勝者に支払うかたちですね。

 とはいえ、それはあくまで僕の勘に過ぎませんから、実は家族や子供同士で遊ぶファミリーゲームだったりするのかもしれません(笑)。
 もしこのタイのトランプゲームについて情報をお持ちの方がおられましたら、ぜひご教授いただけると幸いです。

▲PageTop

Bhabhi 【ルール】

伝統トランプ

 花札はもともと南蛮渡来のトランプ(スート4種で各12枚、計48枚)だったものが、博打の禁令などを逃れるため、そしておそらく日本人の美意識もあって姿を変えていき、現在の形(12ヶ月で各4枚、計48枚)になったそうで、そのためかヨーロッパで遊ばれていたトランプゲームの中でも、渡来した南蛮人が伝えたのであろうカシノ系(このブログで前回紹介したフィッシングゲームのThree kingsもこのジャンル)に近い、札ごとや数枚セットの役に得点が決められていて、それを取った(集めた)合計得点を競う遊び方が多いようです。

 その一方で、日本では花札ならぬトランプのゲームというと得点計算を必要としない、配られた手札を早くなくした人が勝ち、というルールのものが広く遊ばれている気がします。『ババ抜き(オールドメイド)』や『七並べ(ファンタン)』がそうですし、有名な『大富豪(大貧民)』などまさにそれですね。そうした「手札を早くなくす」ことが勝利条件となるゲームで、特に『大富豪』のようなゲームはしばしば「ストップ(Stop)」あるいは「シェディング(Shedding)」ゲームと分類されます。

『バビ(Bhabhi)』は東インドに起源を持つシェディングゲームだとboardgamegeekに紹介されています(登録ページはこちら)。
 世界中のトランプゲームを集めているPagat.comや、デビット・パーレット氏の著書『The Penguin Book of Card Games』には少なくとも同名のゲームは見当たらず、それがいつ頃から存在するゲームなのかなど来歴に不鮮明な部分も多少あるものの、BGGのフォーラムでマーク・クラッセン(Mark Klassen)氏がルールを記載しています。
 またリンクの項を見るとi-phoneアプリのダウンロードページに加え、モー・シン(Moe Singh)氏のwww.bhabhi.orgがあり、こちらにはルールと、さらにコンピュータ相手の対戦プログラムも設置されていました。来歴不鮮明、とは書きましたが、このMoe氏がどうやらインド系の方のようだということも考慮すると、このゲームをインド発祥とする記述はおそらく正しいと思われます。

org.png
(※コンピュータ対戦は3~6人プレイ対応。ただしコンピュータの思考はランダムで今一つと作者のSingh氏も記しています。オンライン対人プレイは現在ベータ版のようです)

 今回はこの興味深いインド発のトランプゲームを紹介したいと思います。
 ルールはBGGのフォーラムにKlassen氏が記したものをベースに、www.bhabhi.orgの記述も参照しました。

 BGGのフォーラムのスレッドはこちら→http://boardgamegeek.com/thread/471299/the-perfect-card-game
 www.bhabhi.orgはこちら→http://www.bhabhi.org/

【ゲームの概要】
 配られた手札をすべて場に出し、他のプレイヤーよりも早くなくすことがゲームの目的です。
 手札がゼロ枚になった(出し切った)プレイヤーはゲームに勝って抜けていき、最後に残ったプレイヤーが敗者となります。この敗者のことを「バビ」と呼びます

【プレイ人数】
 2人~7人。
 ただしwww.bhabhi.orgのMoe Singh氏は「2人から可能だが楽しめるのは3人以上」と記しており、BGGの登録ページでも3~7人プレイ可、最適人数は4~5人だとされています。

【使用する道具】
 ジョーカー抜きのトランプ1組(52枚)

【カードの強さ】
 このゲームでは出したカードの強さを比べることが重要なルールになっています。
 カードの強弱は描かれているランク(数値)で判断され、強い順に、

〈強い〉A→K→Q→J→10→9→8→7→6→5→4→3→2〈弱い〉

 となっています。最強のカードはAで、最弱は2です。

【プレイの準備】
 カードを出す場(テーブルなど)を囲んでプレイヤー全員が席についたら、適当な方法でディーラーを決め、ディーラーはすべてのトランプをよくシャッフルし、裏向きに1枚ずつ各プレイヤーに配ります。
 配る順番はまずディーラー本人、次にその左隣、さらにその左隣と時計回りに1枚ずつ、52枚のカードすべてを配り切るまで配っていきます。
 4人プレイならば各人に13枚ずつ均等に配られますが、他の人数では配られる枚数が1枚多い人も出てきます。このゲームではそれでOKです。例えば5人プレイだとディーラーとその左隣は11枚、他の3人は10枚となります。
 ディーラーが配り終えたら、各プレイヤーは配られたカードの中身(表側)をそれぞれ確認します。これがプレイヤー各人の手札になります。

 手札を確認してスペードのAを持っている人が最初の手番プレイヤーです。
 以降ゲームは手番ごとに各プレイヤーが1枚ずつカードを手札から出し、全員が出し終えたら場に出されたカードの強さを比べる、という「ラウンド」を敗者が決まるまで何回も繰り返していきます。
(※全員がカードを出す前にラウンドが終了することもあります。以下の【ラウンドの進行】「3.フォローできない時」のルールを参照してください)

【ラウンドの進行】
1.カードをリードする
 初回の第1ラウンドはスペードのAを持つプレイヤーが最初の手番プレイヤーとして、そのスペードのAを場に表向きに出すことで開始されます。
 この、各ラウンド最初のカードを出すことを「リード」、出されたカードを「リードカード」と呼びます。

2.カードをフォローする
 そして手番は左隣へと順に移っていき、全員が手番ごとに1枚ずつカードを手札から表向きで出していくことになりますが、以降の手番プレイヤーはリードカードのスート(マーク:)と同じスートのカードを出さなくてはなりません
 つまり第1ラウンドではスペードのAがリードカードですので、ラウンド始めにリードしたプレイヤー以外の各人は、自分に手番が回ってきたら手札の中のスペードのカードから1枚を選び場に表向きに出すことになります。
 リードカードと同じスートのカードを出すことを「フォロー」と呼びます。

 このようにリード、そしてフォローでプレイヤー全員が1枚ずつカードを場に出した(手番が一巡した)ら、そのラウンドは終了です。

3.フォローできない時
 リード後に手番が回ってきたプレイヤーが、リードカードと同じスート(第1ラウンドではスペード)のカードを手札に持っていないとフォローはできません。
 フォローできないプレイヤーは手札から好きなカードを表向きに出すことができ、そこで即座にラウンドは終了します。
 例えば、4人でプレイしていて最初のプレイヤーがリード、次にその左隣のプレイヤーがフォローできずにリードカードとは違うスートのカードを出した場合、残り2人のプレイヤーに手番は回らず、場には2枚のカードが出てラウンド終了となります。

【ラウンド終了後の判定】
 リードとフォローで全員が1枚ずつ場に出すか、誰かがフォローできずに1枚出すかでラウンドが終了したら、その結果を判定します。
 判定にはカードの強さが関係しますが、それは以下の2通りがあります。

1.リードに対して他の全員がフォローできた場合
 場には人数分の同じスート(第1ラウンドではスペード)のカードが並んでいるはずです。
 それらのカードの強さを比べて、もっとも強いカードを出したプレイヤーが、次のラウンドで最初に手番をむかえリードするプレイヤーとなります。
 判定がすんだら場のカードはすべて捨て札となって、1つにまとめて裏向きの山にしゲームから除外します。

2.誰かがフォローできずに終了した場合
 この場合も場のカードの強さを比べますが、対象となるのはリードカードと、リードカードのスートと同じスートのカードだけです(※つまりフォローできなかったカードは判定に考慮されない)。
 対象となるカードの中で一番強いカードを出したプレイヤーが次のラウンドでリードを行うことになるのは上記の「1.」と同様ですが、判定後、場のカードはすべて、そのプレイヤーの手札となります

 例えば、Aでリード、その次のプレイヤーはQ、そしてその次のプレイヤーが8を出し、ラウンドが終了したとします。
 このケースではAをリードしたプレイヤーが、自分の出したカードも含めた場の3枚を手札に入れ、次のラウンドのリードを行うことになります。

 Aでリード、そして次の手番プレイヤーが8を出してラウンドが終了した場合はどうでしょう?
 この時もAをリードしたプレイヤーが、Aと8の2枚を手札に入れることになります(※「リードカードとそれと同じスートのカードの中で一番強い」が判定の条件なので)。

【第2ラウンド以降のプレイ】
 判定後、手札のなくなったプレイヤーは「勝ち」でゲームから抜けます
 まだゲームから抜けていないプレイヤー全員で第2、第3……と新たなラウンドを開始し繰り返していきます。
 第2ラウンド以降は、先の判定の結果で決まったプレイヤーのリードから始まりますが、これ以降リードカードはそのプレイヤーの手札から好きなものを出すことができます。スペードだけでなくハート、ダイヤ、クラブのどのスートでも、描かれているランクにも制限はありません。
 もし次のラウンドでリードすると決定したプレイヤーがゲームから抜けていたら、その左隣でまだゲームに残っているプレイヤーが最初に手番をむかえリードします。
 それ以外のラウンドの流れは上記に準じます。

【ゲームの終了】
 ラウンドを繰り返してプレイヤーが抜けていき、最後の一人が残ったらゲームは終了です。
 この最後に残ったプレイヤーが「バビ」、敗者となります。

【スペシャルルール】
 以下はMark Klassen氏がご自身のプレイ環境で用い、推奨している追加ルールです。
 任意にどれか、あるいはすべて導入してプレイしてみるのもよいでしょう。

1.第1ラウンドの特別ルール
 一番最初の第1ラウンドのみ、フォローできないプレイヤーが出ても全員が1枚ずつ場に出すまでラウンドを続けます。
 カードの出し方に変更はなく(可能であれば必ずフォローする)、判定方法は「誰かがフォローできずに終了した場合」と同様ですが、場に出たカードはすべて捨て札となります
(※最初に配られる手札の運、不運の印象を軽減するための措置のようです)

2.他プレイヤーの手札を受け取る
 各プレイヤーはラウンドが終了し判定結果も適用された後、次のラウンドのリードカードが出る前であれば、自分の左隣のプレイヤーの手札をすべて受け取り、自分の手札に入れることができます。
(※そのようなプレイをしたがる人はあまりいないと思いますが、最初の第1ラウンドの場合は手札が配られた後、スペードのAが場に出る前のタイミングであれば、このルールで手札の受け取りを左隣の人に要求できることになるでしょう)
 受け取りを要求されたプレイヤーは、すべての手札を相手に渡し、その時点でただちに「勝ち」となってゲームから抜けます。望むのであれば1人のプレイヤーが左隣から手札を受け取った後、さらに続けてまた新たな左隣から受け取り…と連続して手札を受け取ることも可能です。
 リードする予定だったプレイヤーが手札を渡して「勝ち」となりゲームから抜けてしまった場合はどうするのか、ルールに明記はされていませんが、【第2ラウンド以降のプレイ】に書いたように「その左隣のプレイヤーがリードする」でかまわないと思います。これがもし第1ラウンド開始前に起きた場合は、手札を受け取ったプレイヤーがスペードのAを持っているはずですから、そのプレイヤーがリードします。
(※Klassen氏はこれを適切なタイミングで行うことにより、本来なら敗者となる状態だったプレイヤーが他より先に勝って抜けるのを何度も見ているそうです。またwww.bhabhi.orgのSingh氏も自分の望むカードを手札に入れるためのテクニックとしてこのルールの採用を推奨しているのですが、彼の記述では要求できるのは左隣に限らず「他のプレイヤーの誰でも」から手札を受け取れる、としています)

3.ラウンド終了前の特別ルール
 誰かがフォローできずに1枚カードを出すと即座にラウンド終了ですが、このルールではフォローできなかったプレイヤーの左隣で、次に手番が回ってくるはずだったプレイヤーに限り、カードを出すことができます(そしてそこでラウンドが終了します)。出すか、出さないかはそのプレイヤーの任意です。
 このルールでカードを出したプレイヤーは、判定の結果にかかわらず場にされたすべてのカードを手札に入れ、次のラウンドのリードを行います
(※このルールで出せるカードには制限があるのか、Klassen氏は明記していません。いちおうここでは基本のルール通り「リードカードのスートをフォローできるならしなくてはならない。できないなら好きなカードを出す」としておきます)

4.シュートアウト!
 ゲームに2人のプレイヤーが残り、一方のプレイヤーが手札の最後の1枚をリード、もしくはフォローで場に出し、相手も同じスートのカードを場に出しているなら、基本ルールではどちらのカードが強いかにかかわらず、この2枚は捨て札となってゲームは終了します(※最後の1枚を片方のプレイヤーは出しているので)。

 しかしこのルールを採用してのプレイでは、りプレイヤー2人の状態で最後の1枚として出されたカードが、相手の出した同スートのカードよりも強い時には、敗者を决定するための「シュートアウト」が行われます。
 このルールでも、出された2枚のカードが捨て札となるのは基本ルールと同じですが、強いカードを出した(そして手札はもうなくなっている)プレイヤーは手札の代わりに捨て札の山からリードすることで、新たなラウンド(シュートアウトラウンド)を続けます。
 リードするプレイヤーは先のラウンドで使われた2枚を除く捨て札の山をよくシャッフルして、その一番上のカードをリードカードとして場に出します。
 シュートアウトラウンドの結果は以下の3通りです。

○捨て札の山から引かれたリードカードがそれをフォローした同スートのカードより強い時は、再び同じプレイヤーが山から1枚引いてシュートアウトラウンドを続けます(※場に出た2枚はゲームから除外され、捨て札の山には入りません)。

リードカードがそれをフォローしたカードより弱かった時は、手札からフォローのカードを出したプレイヤーが負け、敗者となります。

○リードカードと同じスートのカードを手札を持つプレイヤーが持っておらず、他のスートのカードを出した場合は、捨て札の山からリードしたプレイヤーが敗者となります。

【8人以上でのプレイ】
 www.bhabhi.orgでSingh氏はこのゲームを「2人以上の人数で可」としており、上限を定めていません。しかし、8人以上では最初に配られる手札の枚数が少なすぎるので、さらにトランプを1組足してカードを増やすよう示唆しています。
 7人まではトランプ1組52枚で可能として、何人なら何組足すのかの具体的な記述はありませんが、8~10人程度の参加人数ならトランプを2組使うことになるでしょう。
(※2組以上のトランプを使うと、同じカードが2枚以上場に出る可能性が出てきます。こうなった場合どうするのか? のルールも記述がありません。よって今のところ7人までをプレイ人数の上限としておくのが無難でしょう。例えば「同じカードの強弱は、先に出されたカードのほうが強いとする」といったルールにすると、2組以上を使用した多人数プレイにも対応できそうですが……)


 ゲームではタイトルであり敗者を示す「バビ(Bhabhi)」。ヒンドゥーやウルドゥー語で「義理の姉妹」のことだそうなのですが、なぜこの言葉が使われているのかはよくわかりません。
 調べてみると、バビとは現地ではおおむね「兄弟の奥さん」のことを指しますが、特に北インドやパキスタンでは「長男の妻」に用いられ、彼女たちは一族間の上下関係が厳格なヒンドゥー社会では夫である長男と並んで高い権威を持ち、尊敬を表すjiがついて「バビジ(Bhabhi ji)」と呼ばれたりもするようです。
 それがなぜ敗者の呼称になっているのか……ご当地流のウィットでしょうか?
 残念ながら、このゲームを4000回以上プレイしたと豪語し、ランチブレイクなどに最高なゲームの1つと絶賛するカナダ人のMark Klassen氏も「なぜ敗者はバビなのか」については委細を説明できないようですし、同じくカナダのオンタリオ州マルトン在住ながらインド系と思しきMoe Singh氏もそれについて彼のWebサイトには記していません(代わりに、というわけではないでしょうがページ末に「著名なバビ」として、ブッシュやクリントン、ビル・ゲイツをバビ化したコラージュを掲載しており、少なくともこのゲームにおいてバビがルーザー、敗北者を揶揄するイメージであることは間違いないようです)。

 その名の由来はさておき『バビ(Bhabhi)』はなかなか面白いルールです。
 スートをフォローしなくてはならないストップ、シェディングゲームはいろいろあると思いますが、このゲームは「マストフォローのトリックテイキング」の色彩が非常に濃く、おまけにミゼール(強いカードを出して取ったプレイヤーが負け)の要素が根幹に組み込まれています。
 Singh氏がサイトに置いている対コンピュータ戦のプログラムは基本ルールのみのシンプルなものです。紹介のためにルールを見た限り、Klassen氏の提示したスペシャルルールは少々煩雑になる面はあるものの(特に「シュートアウト」)どれもよさそうなので、それらも導入して機会を見てプレイしてみたいと思います。


【追記:シン氏のスペシャルルール】2013/04/26
 www.bhabhi.orgのモー・シン(Moe Singh)氏が「Special Circumstances(特別な状況)」として記しているルールについても紹介しておきましょう。
 基本的には上記の【スペシャルルール】のうち、2と4に該当します。「1.第1ラウンドの特別ルール」や「3.ラウンド終了前の特別ルール」に相当するものを、Singh氏は提示していません。

 すでに紹介したとおり、Singh氏は「2.他プレイヤーの手札を受け取る」のルールを、手札を渡すよう要求できる相手として、ゲームに残っている他のプレイヤーの誰でも指名できる、としています。

「4.シュートアウト!」については、このような残り2名に限っての敗者決定戦はSingh氏のルールにはありません。
 代わりに、氏のルールでは「各ラウンドで場に一番強いカードを出し、判定の結果、次のリードを行うこととなったプレイヤーは、たとえ手札がなくなっていても勝ち抜けできない」となっています。
 手札なしでリードすることになったプレイヤーは、捨て札の山をよくシャッフルしてそこから1枚引くか、他のプレイヤーの誰か(あるいは左隣のプレイヤー)から1枚無作為に引くか、どちらかを選んで引いたカードでリードし、ラウンドを続けなくてはなりません。
 つまり、このルールで勝ってゲームを抜けるには、手札の最後の1枚を場に出した時、それが「判定で他の人より弱いカード」であるか、あるいは「リードカードとは違うスートのカード」であるかのどちらかでなくてはならないのです。

 これら2つのルールを採用した場合、誰がどのカードを持っているのかを記憶しておくことがより重要になり、勝ち抜けに制限が加わるので「最後の1枚は何を残すか?」をあらかじめ考えてプレイすることになりそうです。

▲PageTop

Menu

プロフィール

django

Author:django
自転車で移動し
ボドゲやカドゲをプレイする
言語はジャパニーズオンリーだけど
強引にゲームのルールを訳す人

最新記事

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。